組織行動のマネジメント その1
はじめに
わたくし、つい先日、会社の役員の方から「一緒に組織作りしてみない?」とのお誘いを受けまして、人生初の組織作りを担当することとなりました。「人生初」なので全くと言っていいほど組織作りの知識はございません。
そこで、いつも通りAmazonで「組織作り」と検索したところ、出てきたのが今回取り上げる書籍「組織行動のマネジメント」です。 なんかもう持っているだけで満足しそうな分厚い真面目そうな本で、ただ読んでいるだけだと「達成感」だけが得られて終わりそうなので、読みながらブログにまとめてみることにしました。何回かに分けて投稿しますので、書評としては読みづらいと思いますが、1回で投稿できる分量じゃないのでご容赦くださいませ。
なお、私が務めているのはIT系の会社です。ブログの内容は全体的にIT系の会社の組織やプロジェクトに合わせた内容になると思います。
第一部 組織行動学への招待 第一章 組織行動学とは何か
組織行動学の概要
私も携わっているマネジャーという仕事は、ある目標に到達出来るよう人、物、金などをマネジメントする職業だが、その中でも問題が起きやすいのは「人」に関することだと思う。本書でも「マネージャーが一番の問題としてあげるのは人の問題である」と書かれており、その問題を解決するのが「対人関係をマネジメントするスキル」であり、この組織における対人関係先となる働く人々を研究する学問が、組織行動学という学問であると位置付けている。
組織行動学はいくつかの行動学を組み合わせてできている。行動学と、組織行動学に関連する分野は以下の通り。
組織行動学の目的
「組織行動学の目的は、人間の行動について説明し、予測し、統制するのを助けることである。」
人間の行動を説明できるようになれば原因を明らかにし、防ぐことができるようになる。原因がわかればメンバーがどのような行動をとるか予測し、より良い意思決定ができるようになる。また、メンバーをもっと熱心に働かせるための統制にも使える。
組織行動学のメリット
- グローバル化に対応する:組織行動学は一般的な学問なので海外でも通用させることが可能
- 労働力の多様性をマネジメントする
- 品質と生産性を改善する:品質を改善する行動をするときに従業員から反発されてはどうにもならないので、そんなときに組織行動学が役立つ。
- 対人関係スキルを改善する
- 顧客サービスを改善する
- 部下に権限を委譲する:部下に権限を委譲することで自己統制型チームを作ることができる。自分で判断できるチームは強い。こういったチームを作るには組織行動学が必要。
- ネットワーク化された職場で効果的に働く:対面で会えないメンバーをマネジメントする際に、組織行動学は貴重な洞察を与えてくれる。
- イノベーションと変革を促す:組織の従業員はイノベーションや変革の起爆剤になれるし、大きなつまずきの石にもなりうる。マネージャーは起爆剤になるよう従業員を促し続けなければならない。この時に組織行動学が効果を発揮する。
- 「束の間性」をマネジメントする:現代は、技術の進歩が日進月歩で、従業員が使うツールも日々新しく素晴らしいものが産み出されている。ある一定の状態は「束の間」でしかなく、その「束の間」をその時々でマネジメントする必要がある。
- ワークライフバランスに関する問題に対処する
- 低下する従業員の忠誠心に対処する
- 論理的なジレンマを改善する:組織のメンバーは常に正しい行動か間違いかを定義しなければならない状況に置かれている。自分の会社で違法行為が行われているときに、通報すべきか否かといった論理的なジレンマを組織行動学は改善してくれる。